お問合わせ・ご予約

前回、妊娠前後のお腹の筋肉が開いてしまう腹直筋離開(Diastasis Recti Abdominis)に対して、コアエクササイズ(腹横筋)を産後の女性を対象にした論文をご紹介しました。

コアエクササイズ群が優位に腹直筋離開の距離が軽減しているという結果でした。

もし、ご興味のある方は読んでみてください。

妊娠に伴う腹直筋離開に対するエクササイズの論文 | ブリスベンのフィジオ Moto Mobile Physiomotophysio.com

この論文からわかるのは、コアエクササイズをやれば改善するから取り入れるのがいい、というのは理解できますね。

ただ、腹直筋離開は「妊娠中」から起こるのですから

妊娠中から悪化させないことができないか?と、考える方もいると思います。

話は逸れますが、私もサッカーに関わることが多くあり、研究や論文に関わらせてもらっていますが、その中でも大怪我とされる「前十字靭帯損傷」は、手術後全治6〜9ヶ月と、選手にとっては選手生命を脅かす怪我です。

(先週、その大怪我を4回もしてしまった横浜Mの宮市亮選手とコンサドーレ札幌の深井一希選手が、ルヴァンカップで復帰しているのを見て、全く関係がないのに涙が出そうでした😭)

怪我をすると、試合やトレーニングができなくなり、たくさんの選手が苦しんでいます。

起きてしまう前に予防トレーニングがないかと思ったのは、今から15年前。

当時、日本で働いていた船橋整形外科病院の先生方といろいろな論文を調べました。

もちろん全てを防げるわけではないですが、いくつかわかってきていることも増えてきています。

前回に書いた記事で、トレーニングプログラムでの怪我の予防について、前編・後編と長いですが、ブログにまとめてありますので、ご興味のある方は読んでみてください。

FIFA 11+トレーニングプログラムでの怪我の予防について(前編) | ブリスベンのフィジオ Moto Mobile Physiomotophysio.com

FIFA 11+トレーニングプログラムでの怪我の予防について(後編) | ブリスベンのフィジオ Moto Mobile Physiomotophysio.com

そういったことを調べるのが楽しくて、私も取り入れ初めて早10年

40歳でも大きな怪我なく、サッカーができる喜びがあります。

若い選手に追い抜かれていく悔しさもありますが、でも、その子達の成長を感じて、親のような目線で抜いてくれる喜びを感じている今日この頃です。

で、話を戻すと(いつも前置きが長くてすみません)

腹直筋離開も妊娠中になることが多いので、妊娠中から予防ができないかということで調べていたら、、、

ありました!

私には重要な論文で、妊娠中の女性を対象に研究されている論文です。

妊娠中からトレーニングをすることで腹直筋離開が減少できる可能性があるということで、とても有用なオーストラリアの論文なのでご紹介します。

Effects of exercise on diastasis of the rectus abdominis muscle in the antenatal and postnatal periods: a systematic review

産後14週以降の妊婦さん6週間の腹横筋トレーニングを行った研究です。

コアエクササイズ群(腹横筋;ドローイング)を行った群と

コントロール群(行っていない群)で

妊娠中の腹直筋離開の幅が、

運動していないグループに比べ小さくなりました。

コアエクササイズ群が離開幅平均1.14㎝

コントロール群が平均5.95㎝

腹直筋離開の程度が約35%軽減できました。

コントロール群は、分娩後も腹直筋離開の幅が増加しました。​

論文のまとめ

  • 腹直筋離開の定義(診断基準):臍の位置で2.7cm以上の離開で陽性​

(他の論文ではへそ上下4.5cmの位置での2cm以上とする定義の報告も。​)

  • 腹直筋離開は妊娠14週頃から発生し、出産まで増加する。(第2期から3期で多い)​
  • 腹直筋離開の自然回復は、分娩当日から産後約8週まで起こり、その後はプラトーになることが多い​
  • 腹直筋離開の発生率は、66~100%の割合で起こる。53%が出産直後 ​
  • 妊娠前より定期的にエクササイズを行なっている妊婦の方が確率が少ない​

もちろん全てがエクササイズでよくなるわけではなく、

エクササイズが悪化させてしまうような症状もあるので注意が必要です。

医師による治療、腹部形成術(abdominoplasty) 腹腔鏡下ヘルニア修復術(hernia repair laparoscopically), メッシュを用いたりして行うこともあるので、やはり医師と綿密に連携をとりながら行うことが重要だと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。