今回は、学会への参加と専門的な勉強のため、アデレードに行ってきました。
目的は、スポーツマネジメントに関する学会への参加と、アデレード大学で開催される「めまい(Dizziness)」の専門コースを受講することです。
数日間クリニックを離れることになり、家族にも少し負担をかけてしまいましたが、せっかくの貴重な機会。しっかり学んで、今後の臨床に生かしていきたいと思います。
朝7時の格安便でアデレードへ!
木曜日の朝早く、ブリスベンからアデレードへ向かいました。
なぜこんなに早い飛行機にしたかというと、単純に航空券が安かったからです(笑)。
朝7時出発の便と午後の便では、料金が約2倍も違っていました。
自営業で、しかも長男食べ盛りの身しては、少しでも経費を抑えたいところ。
ということで、迷わず朝7時の便を選びました。

(窓側を予約して飛行機はテンションあがる)
アデレードには午前中に到着したものの、ホテルのチェックインにはまだ早すぎる時間。
さて、どうしようか……。
そこでふと思い出したのが、以前、患者さんからおすすめされていた「ハーンドルフ(Hahndorf)」という街です。
この患者さんは、4年前にイギリスからオーストラリアに来られた方で、以前からお勧めだと教えてくれていました。
ハーンドルフは、アデレード近郊にあるドイツの雰囲気が残る小さな街です。
少し調べてみると、アデレード市内からバスで約1時間ほどで行けるとのこと。
しかも、アデレードの公共交通機関は比較的手頃で、長距離でもわずか1ドルほどで移動できるのがありがたいところ。
せっかく早く到着したので、そのままバスに乗って行ってみることにしました。
アデレードから約1時間、ドイツの街「ハーンドルフ」へ
ハーンドルフは、アデレード中心部から南東へ約28km、アデレードヒルズ(Adelaide Hills)にある小さな街です。
1839年にプロイセン(現在のドイツなどの地域)から移住してきた人々によって築かれた、オーストラリアで最も古くから続くドイツ系の入植地として知られています。


(アデレードヒルのワインバー)
街に到着すると、まるでドイツの田舎町に来たような雰囲気!
昔ながらのヨーロッパ風の建物が立ち並び、街並みもとても綺麗でした。
メインストリートを中心とした小さな街ですが、ドイツ風のレストランやカフェ、お土産屋さんなどが並び、ゆっくり散歩するにはとても良い場所です。

(1939年にドイツからの移民がここにたどり着いた)
周辺のアデレードヒルズはワインの産地としても有名です。
ドイツ文化とオーストラリアの自然がうまく混ざり合ったような、とても落ち着いた雰囲気の街でした。


(アデレードヒルのワイナリー)
ドイツといえばシュニッツェルとビール!
せっかくドイツの街に来たので、ランチもドイツらしいものを食べたいと思いました。
ドイツといえば、やはりシュニッツェル(Schnitzel)とビール!

(ドイツといえばシュニッチェチェルとビール)
シュニッツェルは、お肉を薄く伸ばして衣をつけて揚げ焼きにした料理で、日本のトンカツに少し似ています。
ということで、早速注文。
ところが、出てきた料理を見てびっくり。
とにかく大きい!
ドイツ料理らしい豪快なボリュームで、最初はおいしく食べていたのですが、だんだん油っこさが気になってきました。
途中からは、なんと衣を少し剥がしながら食べるという、ちょっと失礼な食べ方に……(笑)。
結局、半分以上は食べきれず持ち帰ることになりました。
若い頃だったら普通に食べられたかもしれませんが、43歳の胃袋には少し重すぎたようです。
こんなところでも、年齢を感じるようになりました(笑)。
僕がドイツを好きな理由
そもそも、なぜ今回ハーンドルフに行ってみたかったのか。
実は、僕は昔からドイツが大好きなんです。
理由はいくつかありますが、一つはサッカーです。
ドイツのサッカーは、体の強さを生かした激しいプレー、運動量、そして最後までハードワークする姿勢が特徴的です。
日本とは体格やサッカー文化の違いもありますが、勤勉で真面目に取り組む国民性には、日本と少し似たところもあるように感じています。
そして、僕が子どもの頃に大好きだった選手が、ピエール・リトバルスキー(Pierre Littbarski) です。
リトバルスキーは身長168cm。
ドイツ代表といえば190cm近い大柄な選手も多いイメージがありますが、その中で168cmという小柄な体格ながら、世界のトップレベルで活躍していた選手です。
ドリブルが非常にうまく、フリーキックなどの技術にも優れ、1990年のワールドカップでは西ドイツ代表として優勝を経験しています。
その後、Jリーグのジェフユナイテッド市原でも活躍しました。
当時の僕にとって、自分たち日本人と変わらない、むしろ小さいくらいの体格で世界の強豪選手たちと戦う姿は、本当に印象的でした。
今ではドイツ代表にも、ムシアラ、ミュラー、ゲッツェ、ノイアーなど、多くのスター選手がいます。
でも、僕にとって子どもの頃のドイツサッカーの象徴は、やっぱりリトバルスキーなんです。
もう一つのドイツの思い出。「走れる体で良かった!」
実は、ドイツには以前、学会で研究発表をするために訪れたことがあります。
ベルリンで開催された学会に、当時お世話になっていた偉い先生方と一緒に参加したときの話です。
ある日、先生から「今夜のレストランを予約しておいて」とお願いされました。
そのレストランは、1621年創業というベルリンの歴史ある老舗レストランでした。
早速ホテルから電話で予約をしようとしたのですが、当時の僕は英語がほとんど話せません。
何度か電話してみても、うまくコミュニケーションが取れず、予約ができませんでした。
さて、どうしよう……。
そこで思いついたのが、
「直接行って予約すればいいんじゃないか?」
という、非常に単純な方法でした(笑)。
ホテルからレストランまでは約5km。
僕はランニングシューズに履き替えて、そのままレストランまで走って行きました。
そして、何とか直接予約を取り、「2時間後にまた来ます」と伝えて、再び5km走ってホテルへ。
つまり、レストランの予約を取るためだけに往復10km走ったわけです。
その後、先生方には何事もなかったかのように「予約できました!」と報告し、無事にみんなで食事を楽しむことができました。
今思い出しても、なかなか面白い経験です。
そしてそのとき、心から思いました。
「サッカーをやっていて、走れる体で本当に良かった!」
言葉が通じなくても、走れる体があれば何とかなることもあるんだなと(笑)。
この話は、以前Moto Physioのブログにも書いています。
そんな思い出もあり、僕にとってドイツは特別な国の一つです。
だからこそ、今回アデレードにドイツの街があると聞いて、ぜひ行ってみたいと思いました。
今回も最後は走ることに(笑)
ハーンドルフの街を散策し、ドイツ料理も楽しんだところで、そろそろアデレード市内へ戻る時間です。
ところが、バスの時間を確認すると、次のバスまであと10分弱!
しかも、バス停までは約2km。これを逃すと、次のバスは1時間後です。
これはまずい!
普段のランニングなら1kmを4分30秒ほどで走るのは問題ありませんが、今回は事情が違います。
服装はシャツにスラックス。手にはお土産のワイン、背中にはパソコンの入ったバッグ。
そんな格好で、まさかのワイナリー地区を猛ダッシュ!(笑)
旅行先でも、結局走ることになってしまいました。
ただ、今回助かったのが履いていた靴です。
最近は学会や仕事でもスマートカジュアルな服装が増えてきました。
今回もシャツにスラックスという格好だったので、普通の革靴を履いていたら、なかなか大変だったと思います。
しかし、今回履いていたのは、スイス発のスポーツシューズブランド On(オン)のCloudtilt(クラウドティルト) という黒いシューズ。

(OnのClond Tilt, 去年思い切って購入)
見た目はシンプルでスラックスにも合わせやすく、それでいて歩きやすく、いざとなれば走ることもできます。
実は、このOnというブランド、開発の歴史がなかなか面白いんです。
創業者の一人である元プロトライアスリートのオリヴィエ・ベルンハルドが、庭で使うホースを短く切り、靴底に取り付けてクッションにするというアイデアから始まったそうです。
着地時には柔らかく衝撃を吸収し、蹴り出すときにはしっかり力を伝える。
そんな発想が、現在のOnの独自技術「CloudTec」につながっています。
以前、PIVOTのYouTubeで「シューズ界のApple」と紹介されていたのを見た記憶がありますが、確かにデザインも機能性も、従来のスポーツシューズとは少し違う印象があります。
今回履いていたCloudtiltは、特に歩きやすさとクッション性が気に入っています。
一日中立ったり歩いたりすることの多い僕にとって、革靴よりもはるかに快適です。
ただ、値段はあまり快適ではないのが難点ですが……(笑)
そんな靴のおかげもあって、シャツとスラックス姿で荷物を抱えながらも、何とかバス停まで走り切ることができました。
そして、ギリギリでバスに間に合い、約1時間バスに揺られてアデレード市内へ戻ってきました。
そういえば、昔ベルリンでも、レストランの予約を取るために往復10km走ったことがありました。
あれから随分時間が経ちましたが、今回もまた旅先で走ることになるとは(笑)。
43歳になり、長時間立っていたり、歩いたりした後の疲労も、若い頃とは少し違ってきました。
それでも、こうして必要なときに走れる身体でいられるのは、日頃から運動を続けているおかげなのかなと思います。
そして今回は、それに加えて、
「歩きやすく、走れる靴を履いていて良かった!」
と改めて実感しました。
理学療法士として、普段から患者さんにも運動の大切さをお伝えしていますが、今回のような何気ない出来事でも、その大切さを自分自身で感じることがあります。
運動は、スポーツで良い結果を出すためだけのものではありません。
旅行を楽しんだり、長い距離を歩いたり、そして時にはバスに間に合うために走ったり(笑)。
日常のちょっとした場面で、自分の身体が思い通りに動いてくれること。
それも、普段から身体を動かしておく大きなメリットなのだと思います。
夜は、かつてMoto Physioに実習で来てくれた日本人の理学療法士と再会
アデレード市内に戻った後は、もう一つ楽しみにしていた予定がありました。
数年前、イギリスのバーミンガムから留学生としてMoto Physioに来てくれていた日本人の方との再会です。
当時はまだ理学療法士を目指して勉強していた彼女ですが、その後アデレードの大学院を卒業し、現在はオーストラリアで理学療法士として働いています。
今回は久しぶりに連絡を取り、アデレードの日本食レストランを勧めてくれて一緒に食事をすることができました。
以前は留学生としてクリニックに来てくれていた方が、今では同じオーストラリアで働く理学療法士になっている。

(焼き餃子にトッピング、和食をオージー向けアレンジ?)
こうして再会できることは、本当に嬉しいですね。
お互いの近況や、理学療法士としての仕事のことなどを話しながら、楽しい時間を過ごしました。

(学生から社会人へ)

(ラム肉と野菜の和食+洋食アレンジ)
日本食レストランでしたが、接客はすべて英語で、サービスもとても丁寧でした。
料理は日本食を少しオージー向けにアレンジしたような印象で、どれもとても美味しく、大満足でした。


(お店は和)
初日から充実したアデレード滞在
朝早くブリスベンを出発し、アデレードに到着。
ドイツの街ハーンドルフを訪れ、ドイツ料理を食べ、昔のベルリンでの思い出に浸り、最後はかつての留学生との再会。
初日からなかなか充実した1日になりました。
仕事や家族との生活で忙しい毎日ですが、こうして普段とは違う場所を訪れたり、昔の思い出を振り返ったり、人とのつながりを感じたりする時間もありがたいです。
そして、今回のアデレード訪問の本来の目的は、もちろん勉強です!
翌日からは、アデレード大学でのめまいの専門コース、そしてスポーツマネジメントに関する学会で、しっかり学んでいきたいと思います。
次回は、約9年ぶりに大学のキャンパスで受けた専門研修について書きたいと思います。

