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オーストラリアの画像検査(MRI・CT・超音波)は高い?

〜フィジオが“患者”として感じた医療費の話〜

「オーストラリアの医療費は高い」
これはよく聞く言葉だと思います。

普段はフィジオセラピストとして患者さんを対応させてもらっていますが、今回は自分自身が患者として医療を受けた経験を通して、オーストラリアの医療制度、とくに画像検査(MRI・CT・超音波)について感じたことを書いてみたいと思います。


オーストラリアの医療の基本的な流れ

オーストラリアでは、まず
GP(General Practitioner:かかりつけ医)を受診し、
必要に応じて
専門医(Specialist)への紹介状(referral)をもらう

という流れが基本です。

日本のように「いきなり専門医」「病院で全部完結」という形ではありません。


膝MRIを例に:ACLの場合

私は普段、スポーツ系の患者さんを多く診ていますが、例としてよく知られている
膝の前十字靱帯断裂(ACL:Anterior Cruciate Ligament)を挙げてみます。

復帰までに8-12ヶ月かかる大怪我です。

(これを減らせたり、手術後にスムーズに復帰してもらえるように日々新しい論文がないか読むのは結構好きなのでいいものがあれば教えてください。)

オーストラリアでは、
専門医にかかる前に GPでMRIを撮って確定診断を行う ことがよくあります。

ただし、MRIにはMedicare(公的保険)でカバーされる条件がかなり厳しく設定されています。

膝MRIで保険が使える条件(GPからの場合)

  • 年齢:16〜49歳
  • 急性外傷
  • 半月板損傷またはACL断裂が疑われる場合のみ

逆に言うと、

  • 50歳以上
  • 半月板・ACL以外の疾患

これらは GPからのMRIでは保険適用外になります。

2018年11月以降、
50歳以上の患者に対してGPは膝MRIを依頼できない というルールが導入されました。
一方で、専門医(整形外科医やスポーツドクター)は年齢に関係なくMRIを依頼可能です。

要は、
👉「重要性が高いものに医療資源(お金)を使う」
という考え方の制度だと感じます。

(前十字靭帯断裂MRI)

画像検査は「病院」ではなく「画像センター」

オーストラリアでは、日本のように病院内にレントゲンやMRIがあるわけではなく、
画像専門センターに行って検査を受けます。

代表的なところは

  • Queensland X-Ray
  • QScan
  • I-MED

などの大手チェーン。

最近では、そこから派生した小規模な画像センターも増えています。

イメージとしては少し強引ですが、

  • セブンイレブンやファミリーマートのような大手
  • ローカルのコンビニのような小規模店

…のような違いに近いかもしれません。

今回は、フィジオとして「画像検査を依頼する側」だった私が、「依頼される側」になりました。

私たちフィジオセラピストも、
足関節捻挫で骨折の可能性を除外するためのレントゲンや、
膝のMRIなど、画像検査処方できるのがオーストラリアです。

このレントゲンも保険がほぼ全額カバーしてくれます。
QScanI-MED といった大手の画像センターは、
自分のクリニックから 車で5分以内 にあり、
アクセスの良さもあって、これまで本当によく紹介状を書いてきました。


同じMRIでも、値段が違う

これ、意外と知られていませんが、

👉 同じ膝MRIでも値段が違います

ブリスベン周辺だと
Knee MRI:AUD $300〜$550 と、かなり幅があります。

大手は高め、小規模センターは比較的安いことが多いです。


オーストラリアには「会社の健康診断」がない

ここからは、完全に私の話です。

オーストラリアには、日本のような
会社での定期健康診断がありません。

自分自身でGPに行き、
「気になる症状」や「不安」があって初めて検査をします。


10年以上ぶりの血液検査

私は日本にいた大学時代から
「コレステロールが高い」と言われていました。

サッカーをずっとやっているし、
「遺伝でしょう」と言われ、
20代・30代はあまり気にしていませんでした。

30代では仕事を辞めてオーストラリアに移住し、
大学院に行き、経済的にもかなり厳しい時期が続き、
10年以上、血液検査を一度もしていませんでした。


40代になって心配に

40代になっても、

  • サッカーを続け
  • ほぼ毎日運動し
  • 同世代よりは動けている自信もありました

ただ、ここ5年ほどで
大学の同級生や身近な先輩、同世代の人たちが病気で亡くなる
ということが続きました。

「子どもが3人いるのに、もし今倒れたら…」

そう思い、
40歳のときに 10年ぶりの血液検査 を受けました。

結果は、やはり
👉 コレステロール高値

30代の頃から
「薬を飲んだほうがいい」と言われていたレベルでした。


念のための検査、そして衝撃の金額

心筋梗塞や脳梗塞のリスクも説明され、
念のため以下の検査を受けることにしました。

  • CT Cardiac Calcium Scoring(心臓血管のカルシウムスコア)
  • US Doppler Carotid & Vertebral Vessels(頸動脈・椎骨動脈エコー)

まず大手画像センターに電話すると、

👉 CT+超音波で $650
👉 Medicareから戻るのは 約$180

えっ……
自己負担 $470??

正直、これは高すぎると感じました。

別のセンターに電話すると
👉 2つで $495
👉 差額自己負担 約$315

それでも急な出費としてはかなり痛いですが、
「何かあってからでは遅い」と思い、予約しました。


やっぱりオーストラリアの医療は高い…でも

正直に言うと、
やっぱりオーストラリアの医療費は高い です。

自分自身、
日本と比べると高い診療費を患者さんからいただいています。

だからこそ、
👉「その金額に見合う価値を提供できているか」
改めて考えさせられました。


患者として感じたこと

検査当日、
担当してくれた放射線技師さんは

  • 説明が丁寧
  • 対応もとても親切

「自分もこんな医療者でありたい」
そう素直に思いました。

ちなみに
血液検査はMedicareで全額カバーされ、無料でした。

医療の優先順位に応じてカバーする
この制度は、
メリット・デメリットはあるものの、
とても合理的だとも感じます。


おわりに

患者としてCTや超音波を受けてみて、
改めて思ったのは

👉 健康であることは本当にありがたい

ということ。

フィジオとして、
そして一人の人間として、
これからも健康と真剣に向き合いながら、
患者さんにも還元していきたいと思います。

そして、いうことを聞かず喧嘩ばかりのBoysたちに腹が立ちながらも可愛い子供のためにも健康でいたいと思います。