〜言葉の壁を越えて伝えるということ〜
3月、オーストラリアに3校の日本の大学から学生たちが来てくれました。
授業をしたり、私のクリニックの見学をしたりしました。春休みを利用してわざわざ足を運んでくれたこと、とても嬉しく思います。
私は普段、大学で授業を担当することがありますが、今回の学生たちと会うのは初めてでした。
医療や授業の内容について説明することには慣れていても、「学生相手に通訳をしながら、私の臨床を見せて説明する」というのは、やはり緊張します。
英語での仕事。でも、苦手意識はずっとある
私は仕事で日常的に英語を使っています。患者さんの8〜9割は現地の方なので、英語使用率は90%を超えます。でも、英語が「得意か」と聞かれると…正直、自信はありません。
未だに聞き返されることはよくありますし、若いサッカー選手たちの会話なんて、ほとんど聞き取れません。(笑)私の話す英語が相手に伝わらないこともあります。高齢の患者さんには「何言ってるか分からん」と言われたこともあります。
通訳も難しいです。頭の中で日本語と英語を切り替えるのは、思っている以上に負担がかかります。英語で言われた内容を、そのまま英語で返してしまったり、集中していないとすぐ忘れてしまったり…。通訳って、本当に大変です。
よく「日本人の英語は訛ってる」と言われます。
私の英語は「山形弁みたいだ」と勝手に思っております(笑)。
山形の方、すみません。全く悪意はなく、むしろ前の職場や大学でも山形の友人が多く、よく家にも行かせてもらっていましたので好きです。
お酒もお米もスノーボードも温泉も、大好きな場所の一つです。
でも、、、
年末にテレビで、山形の酒田出身のおじいちゃんの話を聞いたとき、あまりにも聞き取れなくて…あぁ、自分の英語もこんな感じなのかなと、妙に納得してしまいました。
それでも、「ゆっくり話す」「言い換える」「身振り手振りを交える」ことを意識しています。
出川哲朗さんが「単語だけでも通じる」と言っていたのは、まさにその通りで、「伝えたい!」という気持ちが一番大事だと思います。
そして改めて、通訳のプロって本当にすごい。
さらに言うと、語学面ではやはり女性が強い気がします。
(あくまで私の個人的な感想ですが)
10km走った後でも、カフェで元気に笑いながら話している女性たちを見て、毎回すごいなぁと思っています(笑)。
現地での授業と見学体験
今回のツアーでは、ホテルでの授業とクリニック見学の通訳・案内を担当しました。授業では以下のような内容をお話ししました。
- オーストラリアでフィジオになるには?
- 英語の勉強法
- 問診の聞き取り方法 など
通訳が必要な学生もいましたが、それも含めて良い学びになったのではと思います。私自身、学生時代は授業中に寝てばかりいました(親には申し訳ない…)。でも大学院では本気で勉強したので、少しは挽回できたと信じたいです(笑)。
見学ツアーでは、以下の施設を案内しました:
- Allsportsのクリニック
- X-rayセンター:日本と違い、病院ではなく画像センターで撮影し、レポートが戻る仕組みを紹介。
- Podiatry:3Dカメラでの足型スキャンと装具作りを体験。
- Hand Therapy:専門セラピストによるキャスト作成の見学。
- Recovery Center:高気圧酸素療法や冷却マッサージ機器などを体験。
学生にとって、良い刺激や学びの場になっているといいなと思います。

(All Sports Physioでの見学)
自分にとっての気づきとこれから
こうした機会をいただけたことに、心から感謝しています。同時に、「もっと伝える力をつけたい」「もっと英語力を磨きたい」と改めて感じました。
学生たちが患者さんとのやり取りを見学する中で、英語が分からず固まってしまう場面もありました。でも、それも貴重な経験。私も13年前はまったく聞き取れませんでしたし、今でも聞き返されることはよくあります。
だからこそ、「失敗を恐れず、伝える努力を続けること」が一番大切なのだと思います。

(リカバリーセンターでの交代浴体験)

(ハンドセラピー専門施設の見学)

