お問合わせ・ご予約

前回、今シーズンずっと続いていたフル出場が、イエローカード5枚と、その後の退場で途切れてしまったという話をしました。

またサッカーのことかと思う方、今回は少しオーストラリアの救急医療は高額という内容です。

実は、その出場停止になった試合の日には、もう一つ忘れられない出来事がありました。

言いたいことはオーストラリアへ来るには保険に入りましょうということです。

お前急に何を言っているんだ?

そう思った方、ありがとうございます。

いつも通りの長い話を読んでください。笑

その日は日曜日の午後4時キックオフのアウェーゲーム。

私は出場停止なので試合には出られないんですが、会場には行って、まずみんなと一緒にウォーミングアップを手伝いました。

そのあと、自分だけ走りのメニューです。

グラウンドを10周走って、そこから100メートルのスプリントを8本。

少し休んで、さらに8本。

合計16本です。

試合にも出ないのに、もうクタクタです(笑)。

前半が始まってすぐにシャワーを浴びて、10分くらいして観客席に戻ってみると……

もう0対2。

「これはかなり厳しいな……」と思いながら試合を見ていました。

相手には、すごく上手な日本人選手がいるという話を聞いていて、実際、その選手にかなりやられていたようです。

ところが私が戻った頃、その選手がうちの選手との接触で肩から落ちてしまい、ピッチ上でうずくまっていました。

試合もしばらく中断。

私は反対側の観客席から見ていたんですが、しばらくすると電話が鳴りました。

うちの監督からです。

「相手の選手、日本人で英語もあまり分からないみたいだから、ちょっと見に行ってくれないか」

ということで、グラウンドの反対側まで行きました。

行ってみると、肩の状態を見る限り、明らかに肩が抜けていました。

私は学生たちに教えることもあるので、

サルカスサイン陽性

あー学生に見せてあげたいくらい綺麗な脱臼、

痛いのに選手には申し訳ないですが、なんちゃって講師としての血が騒ぐ

本人にとっては初めての肩の脱臼だったようで、かなり強い痛みがあるようでした。

私が到着した時点ですでに15〜20分くらい経っていて、救急車を呼んでいました。

救急隊が到着して、強い痛みを和らげるための鎮痛処置をしながら、ストレッチャーで救急車まで運びます。

そこで問題が一つ。

本人は20歳くらいの日本人選手で、英語があまり話せない。

しかも前半が始まったばかりなので、監督やチームスタッフも一緒に病院へ行けない。

救急隊員から僕に、

「Do you wanna come with me?」

と言われました。

要するに、

「一緒に来る?」

ですよね。

正直、一瞬考えました(笑)。

しかもその日は日本から大学の先生が試合を見に来てくださっていました。

その先生はサッカーのAライセンスもお持ちで指導者としても活動されていて、社会人チームの監督をしながら大学教員もされている、本当にバイタリティーのある方です。

せっかく来てくださっているので、「どうしようかな……」とは思ったんですが、

さすがに海外で、一人で、英語も十分に話せない20歳の選手をそのまま一人で救急車に乗せるのも心配です。

結局、私も車で救急車の後を追って病院まで行くことにしました。

そしてここから、今日一番伝えたい話です。

旅行でも、留学でも、スポーツでも、本当に保険には入ってきてください。

病院で通訳をしながら受付や書類の説明を聞いていたんですが、

入院すると1500ドル

「これをするといくら」

「検査を追加するとさらにいくら」

「麻酔や処置が必要になるとさらに1000ドル費用がかかる」

という説明が次々に出てきます。

しかも、治療を始める前に費用について確認してサインをしないとやってくれないんです。

私自身も、

「これは全部終わったら一体いくらになるんだろう……」

と思いながら聞いていました。

さらにオーストラリアの救急病院は、緊急度によって順番が決まるので、待ち時間がかなり長くなることがあります。

彼の場合も、レントゲンを撮るまでに3時間以上。

その間も肩はかなり痛い。

鎮痛薬を使うんですが、今度は薬の影響なのか、フラフラしたり、吐き気がしたり、動悸や寒気を訴えたりして、

「じゃあ別の検査も必要かもしれない」

という話になっていきます。

もちろん、救急なので必要な検査をすること自体は理解できます。

ただ、海外から来て保険が十分でなかったら、この状況はかなり怖いと思います。

結局、僕私も病院に4〜5時間くらいいました。

試合には1分も出ていないのに、

走り込みをして、シャワーを浴びて、相手選手について救急病院へ行って、

最終的には試合に出たチームメイトたちより遅く家に帰るという(笑)。

なかなか不思議な一日になりました。

ただ、悪いことばかりではありませんでした。

待っている間に、相手チームの監督とゆっくり話すことができました。

その方はイギリスで元プロ選手としてプレーし、その後、指導者になったそうです。過去2年間は別のチームで監督をされていて、その頃から私のプレーを見てくださっていたとのこと。

「ここ3年間、ほとんどの試合に出ていたのに、なぜ今日は出ていないのか」

「なぜ43歳になってもプレーを続けられているのか」など、私の話にも興味を持って耳を傾けてくださいました。

普段はなかなか聞けないような話も、時間をかけてゆっくり聞くことができました。

なので、

「今日は試合に出られなかったけど、自分にできることはあったかな」

と、最後はポジティブに考えることにしました。

そして何より、彼は保険に入っていたので、カバーされ助かったようです。

怪我をした選手がしっかり治して、またサッカーに戻ってこられることを願っています。

ということで今日の結論。

オーストラリアに来る予定がある皆さん。

救急病院、本当に高額になる可能性があります。

「自分は大丈夫」と思わずに、

旅行でも留学でもスポーツでも、

ちゃんと保険の内容を確認してから来てください。

まさかサッカーの出場停止の日に、こんなことを実感するとは思いませんでした(笑)。