1月の日本帰国時の授業後や今回のクリニックツアー、そして別に3名が個別に私のクリニックに来てくれました。その時にいただいた質問を載せたいと思います。
Q. 卒業したら留学に行きたいと考えていますが、希望者はどのくらいいるんですか?
これまで100人以上の方から、留学に関するお問い合わせをいただいています。
皆さんの状況や考え方は様々です。
「勉強しても給料が上がらないから、自己投資に意味を見出せない」
という意見もあれば、
「学んだ知識を患者さんに還元できることが嬉しい」
という声もあります。
どちらも、その方の価値観や状況に基づいた正直な思いであり、正解・不正解はないと思います。(私の家族が見てもらうのは後者がいいとは思ってしまいますが)
重要なのは、「自分が何をしたいのか、どのような未来を描いているか」を明確にすること。その上で、その目標を達成するために、本当に留学が必要かどうかを一度考えてみると良いと思います。
「違いを否定するのではなく、『違っていていい』と思えること。」
これは、私が尊敬する経営者の方からいただいた言葉ですが、今でも心に残っています。人それぞれの違いを受け入れ、多様性を尊重する姿勢の大切さを教えていただきました。
日本人は世界でも活躍できるポテンシャルがあると思います。
たくさんの方がやりたいことをやれる世界になるといいと思います。
(高いお金を払って、借金までしないと難しいフィジオへの留学が絶対に良いとは今でも私はわかりません)
Q. 葛山さんが留学して良かったこと・悪かったことは?
最近では、私が卒業したキャンベラ大学に2名の日本人が入学し、(一人は卒業し働いており、もう一人は在学中)そして、もう1人もこの夏から入学予定です。
オーストラリアへの留学は、正直「9割が覚悟」です。
年間約500万円の学費に加え、生活費も必要で、2〜3年単位での計画が必要になります。
「勉強は最大の贅沢」
これ、留学して本当に思いました。笑
私も妻と子どもがいる中での留学でした。家族にも負担をかけましたし、お金もいろいろなところからたくさん借りました。
教会のチャリティーのパン(ホームレス用の支給パンではありません)を食べさせてもらったり、ブラジル人と四畳半で2人暮らしをしたりと、想像もしていなかった経験をたくさんしました。
子どもに「コンビニでお菓子買って」と言われても買ってあげられなかったこと。妻が高いものを我慢して、安くて割引されたものを選んでくれていたこと。胸が痛かったです。
でも、今では「感謝」しかありません。

(いつもは一人ずつが多いのですがハリケーンで停電になって交通機関も止まってしまい日程がずれて2人が同日になりました)
Q. 留学をうまくいかせるには?
1. 英語力とお金、そして「出会い」
私も昔は「最短ルート」を探していました。
効率よく、確実に資格が取れる道ばかり気にしていた時期もありました。
でも、ふと気づいたんです。大学院を経由してフィジオになった日本人なんて、当時は誰も知りませんでした。
だから私は、行きたい大学に自分で直接連絡をしました。それが大きな違いだったかもしれません。たくさんの人が聞きたい気持ちも、特に言語の同じ日本人に聞きたいのはわかります。
ただ、誰もいったことがないエベレストへの道を、高尾山から降りてきた人に聞いても少しの登山としてのアドバイスはできても正直分からないのではないかと思います。
だから、その場所にいったことのある人の話(ビジネスでもサッカーのプロの世界でも登山でも)を聞くのは私は大好きです。
今はネットも翻訳も電話もあります。直接現地の大学に聞けることも可能だと思います。
他人の経験を参考にしつつ、
最後は「自分の視点」で決断してほしい。そう思います。
2. 遠回りの中にこそ、出会いがある
私も最短ルートを目指していましたが、気づけばかなり遠回りしていました。でも、その道中で出会えた人たち、経験できたことは、今の自分の財産になっています。
もちろん、最短ルートが良い場合もあります。でも、回り道の中でしか得られない出会いや成長もあります。
だからこそ、「何事も全力で取り組む」ことの大切さを感じています。
スポーツ、恋愛、趣味、(勉強)、ギャンブル——何にでも全力でやっていると、周りの人は意外と助けてくれるものです(笑)。
大学時代に、酔って「ゴミ箱に寝ていた」や
最初の職場で先輩のコートに2回連続「吐いてしまった」(これ本当に申し訳ないのですが、私は全く覚えていませんので聞いた話ですが、、器の大きな先輩、今は20年たっても乾杯の挨拶で笑いをとってるから許してくれてるみたいです)
人としてどうしようもない自分ですが、意外に今でもみんなと仲良くさせてもらっていて遠回りもいい出会いに恵まれたと思っています。
(良い子は真似しないでください、今の時代では許されないと思うので笑)

(飲んで迷惑かけても許してくれた?前職の仲間達)
Q. 就職や開業はどうやって?オーストラリアで働けますか?
前の質問の続きにもなりますが、私は今でもよく失敗します。冷蔵庫に行って何を取りに行ったか忘れたり、ポットに水を入れているのに忘れてあふれたり…(笑)
真面目な話に戻すと、履歴書を50回提出して、ようやく1回の面接にたどり着いたこともあります。英語の試験は17回受け、就職の面接では「英語が下手だ」と言われて不合格になった経験もあります。
でも、100回の失敗の中でも1回の成功があれば、それは大きな成果です。
大谷翔平選手も、打率3割(成功率30%)でトッププレーヤーです。私たち一般人は、100回に1回の成功でも十分価値があると思います。
…40歳を過ぎたので、もう少し成功率を上げたいですが(笑)
若い人たちにも、そう思ってもらえたら嬉しいです。
3月は、たくさんの方が来てくれて、まさに“出会いと別れの季節”。
春休みって、大学生にとって特別な時間なんですよね。
遠くから来てくださり、本当にありがとうございました。
次のツアーは、8月の日本の夏休みの時期です。
それまでの間に、もっと笑いがとれるように。
そして、学生たちと自然にコミュニケーションが取れるように、自分も頑張っていきたいです。
「どんな俳優・女優が人気なのか、どんな音楽が流行っているのか、教えてください。」

(日本から海外に興味があると日本の学会にも来てくれた学生、今後に本当に期待)

