イギリスの名門の雑誌British Journal of Sports Medicineの論文
アキレス腱炎の治療方法について最新の知見の発表が出たのでまとめました。
オープンアクセスなので英語が読める人、英語の勉強をという方は本文を読んでみてください。
サッカーのユーロでオランダ代表は予選は1位で突破しましたが、残念ながら退場者を早期に出してベスト16でチェコに負けてしまいました。オランダはACミランの黄金期を支えた3人が(フリット、ファンバステン、ライカールト)の頃が大好きだったので、誕生日が同じという事でダービッツ選手をよくみていて大好きでした。
Dutch multidisciplinary guideline on Achilles tendinopathy(オランダでのアキレス腱炎の治療方針のガイドライン)
サッカーのことはこれくらいにして、本題に戻します。
アキレス腱炎はたくさんの方が発症する疾患の一つで時間もかかり、外来で見させてもらっていても難渋することもあり、勉強したい疾患です。
発症率:1000人で2−3人がかかる
ランナーでは52%が経験
診断;レントゲンでは骨がメインなので診断の使用頻度は少なく、USやMRIを使うが、費用対効果は少なく、臨床症状(圧痛、運動量の増加等)から診断する事が多い。
早期は6週間以内、慢性は3ヶ月以上
治療;フィジオ(理学療法等)の保存が95%(手術は5%未満)
治療期間:3ヶ月から18カ月と人によって幅広い
場所:大きく2つに分類
Mid Portion(踵骨より2cm以上上部)、Insertion(踵骨付着部)


治療方法:
エビデンス第1位;エクササイズ
1、等張性エクササイズ(つま先立ちで上げたり下げたり、座ってチューブをつま先で押したり戻したり)
15回x4セット
もし痛みが悪化した場合
痛みが10段階(10が一番痛く0が痛みなし)で5以上
2−1、等尺性収縮(つま先立ちで止まる、座ってつま先で壁を押す等関節は動かさないで筋肉を収縮する)
45秒保持x5セット
もし痛みが想定内
痛みが十段階で5以下

2−2、等張性エクササイズでプラス重り
6回x4セット
もし痛みが想定内
痛みが十段階で5以下
3、プライオメトリック(ジャンプ等)
そこからさらに痛みが5以下の場合は
4、スポーツに復帰
重りを何キロにする等の疑問もあるかと思いますが、これはRM(Repetition Maximum、最大であげられるものの何%でやるというものがあるので身近のフィジオやトレーナーと相談してみてください)
結果は、エクササイズで約85%はスポーツ復帰可能
少なくとも12週間はこのプログラムでやってみましょうとのこと。
そこで良くならなければエビデンスレベルは少し下がりますが、、、
1、ショックウエーブ(Shock wave)
2、針、インソール、夜間の装具、マッサージ、レーザー、超音波など
3、注射(PRP,プラズマ、リドカイン、ポリドカノール等)
服薬 NSAID、ステロイドの効果は???とのこと。
というような内容でした。皆さんはどのように治療プログラムを立てますか?
また患者さんはどのように指導された事がありますか?
あくまでオランダスポーツ医学センターが推奨した内容ですがスポーツ界での名門雑誌に載っている研究(よくない研究は弾かれるので)ですので参考にしてみてください。
ユーロはオランダは負けましたがまだまだ面白い試合ばかりで睡眠不足になりそうです。

