プロサッカー選手の(ACL)前十字靭帯損傷についての論文を読んでいたら
面白かったので紹介します。イギリスの🇬🇧 BJSMからの論文です。
論文にもレベルがあって
(アンケート会社によって人気芸人や人気アナの順位が違うように、会社によって違います)
この論文はなんと、理学療法やスポーツの論文の一位のランキング🥇です。
そんな論文からの報告で、自分のプロサッカー選手の、論文をこの雑誌に投稿して、
まんまとreject (レベルが低いから受け付けませんと不合格)されたのはここだけの話。
さて、
前十字靭帯はサッカーに限らず時間のかかる大怪我の一つで、
昔から自分もプロ選手をはじめ、たくさん診させてもらう機会を得ましたし、
今でも週に何人かは復帰のお手伝いをさせてもらっているので興味のある分野です。

内容に行くと、
UEFA(ヨーロッパサッカー協会)の68のクラブが2001年から2019年までデータを取り、
それによると一度、前十字靭帯を損傷すると再受傷の確率が17.8%との報告でした。
(すごい高い!これが印象です)
通常のACLの、確率が10000人に29.6人で、約0.26%の確率と考えると68倍高くなるのでかなりの確率になります。
この確率の出し方は医療関係の方は、普通に歩いててACLにはならないでしょってツッコミが聞こえてきそうなので、%はわかりやすく%で出していますと言い訳します。
通常の医療論文ではincident rate といって、1000時間スポーツすると0.076件というように出します。
半月板等の合併症もありますが医療技術の進歩で
プロサッカー選手の約93%以上は復帰(コンディションが全く術前と同じかとは違いますが)している(Zaffagnini2014)
今回はヨーロッパの男子プロサッカー選手で120名のACL損傷がありました。
フォローアップは平均で4.3年、38%がACL単独、61%が半月板等の合併。
平均でトレーニング復帰が
初回損傷177日(6ヶ月)
2回目損傷195日(6.5ヶ月)
試合復帰が
初回損傷224日(7.5ヶ月)
2回目損傷241日(8ヶ月)
2回目の方がどちらも少し長いですが有意差はないとのことです。
その中で17%が再断裂していて、そのうち57%が2年以内に再受傷。
キャリアとしては同レベルか少し下がっても、受賞後、平均4.1年がトップレベルでプレーされていました。
年齢によって異なると思うので調べてみたら
25歳以下は5年後もプレーしている確率が67%、25歳以上はそれが51%、30歳以上では、それが14%まで下がりました。
リスクファクターとしては、ノンコンタクトの場合は形態的特徴(家族、関節の緩み、骨の形態)、ほかの要素(介入可能)、プレースタイル、バイオメカニクス、神経筋のコーディネーション等が関わっていると言われています。
そこを頑張ってやって行くのが医療従事者の大事なところではないかと思います。
今回は男子プロサッカー選手でのデータで、ACLは女性の方がリスクが高いですが、まだまだこのような大掛かりなデータが出ていませんが個人的には、たくさんの研究で言われているようにホルモンや関節の緩さからより気をつけないと、よりトレーニングをと思います。
FIFA11+というトレーニングが十数年前からあり(FIFAが無料で研究結果やビデオ等出していて)それがだんだん予防につながるというデータが出てきました。

また読んで報告します。
全部やるのももちろんいいですが、コンディションや対象にあわせてアレンジして行くのが選手にもいいのかと思います。
この前のブログのシェフの季節の野菜の水分によって塩をひとつまみ入れるように。
このくだりは前のブログを読んでください。

